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第5話 買い物帰りに王女様を拾った

Penulis: みみっく
last update Terakhir Diperbarui: 2025-06-27 10:26:32

 ――予想外の出会い

 この世界に来てから、もちろん友達はいたことがない。当然だが、女の子を間近で見たこともなかったので、興味はあった。

 歩くたびに背中にむにゅっとした柔らかな感触が伝わり、俺の肩越しに見える女の子の顔に、吐息すらも意識してしまい心臓が激しく脈打つ。肩越しに見える、桜色のぷるんとした唇に、さらに胸の鼓動が早まるのを感じた。

 父親から「あまり人と関わらないようにな」と言われていたが、すでに家に着いていた。

 改めて回復魔法で傷の手当てをして、俺の布団に寝かせている。この娘が起きた後、どうしよう……と後悔の念が押し寄せた。

 なかなか目を覚まさないので、可愛らしい寝顔を眺めていると、背負っている時に背中に当たっていた胸のぷにゅっとした柔らかな感触が忘れられない。

 興味は尽きないが、触るわけにはいかない。でも……見るだけならと思った。少し座る位置を変えると、切り裂かれたドレスの隙間から、白い肌にぴたりと沿う下着のような肌着が見えた。その肌着も破れていて、そこからまろやかな胸の膨らみがわずかに覗いていた。角度を変えると、あと少しで……ぷっくりとした膨らみが見えそう。じっと観察していると、不意に女の子が目を開けた。

 気まずいな……忘れてしまおう。

「ここは……どこでしょうか? 私は確か……」彼女は目を覚まし、寝たまま周囲を見渡し、布団の横に座っていたユウを見つめた。

 見つめられたユウは、女の子に耐性がない上に、こんなにも美しい少女に見つめられ、恥ずかしさをこらえて答えた。「ここは俺の家だ」しかし、目のやり場に困り、そわそわして落ち着かない。

「そうですか、私は獣たちに襲われてケガをして……」と寝たまま天井を見つめ、思い出そうと目を閉じていた。すると、何かを思い出したように表情を変え、自分の体を触り「あれ……!? え?」と本来なら痛みを感じるはずの体が、まったく痛まないことに驚きの表情を浮かべた。

 驚いた表情の少女を見て、ユウは彼女が連れていた者たちのことや、彼女を家に連れてきた事情を説明しておいた方が良いだろうと思った。

「ああ、護衛の兵士たちはみんな死んでたぞ。お前もケガして死にそうになっていたから、家に連れてきて治療した」とユウは淡々と説明した。

 少女はその言葉に驚きと悲しみが交じった表情を浮かべ、「皆さん……死んでしまったんですね」と呟いた。

 改めて、彼女に見つめられ「そうでしたか。感謝いたします」とお礼を言われた。彼女の瞳には感謝の色が浮かんでいたが、従者たちのこともあり、悲しげな表情も混ざっていた。

 ケガは回復魔法でかなり回復しているし、家の者も探しているだろうし……送り届けた方が良いよな? 引き留めるのも悪いし、こんな美少女と一緒にいては……俺の身も心も持たないかもしれない。

「元気になったなら町まで送っていくぞ。どこに送ればいいんだ?」ユウは少し名残惜しそうに尋ねたが、それでも仕方ないと心の中で呟いた。

 ユウに言われた少女も、どこか寂しげな表情を浮かべ、口を開いた。

「ご両親にも、お礼をしたいのですが」と彼女は申し訳なさそうに言った。

「両親はいない。亡くなった」とユウは淡々と答えた。前世からの人見知りで、まともに話せていたのは父のトリスタンくらいだった。だから、こんな美少女と二人っきりで話すのはハードルが高すぎるので、つい素っ気なくなってしまうのは仕方がないことだった。

「それは……その、すみません」不快な思いをさせてしまったと思い、彼女の声は少し震えていた。

「それで、どこまで送ればいいんだ?」ユウは少し不機嫌そうに尋ねた。

 ユウは気にしてはいなかったが、話が進まずに焦っていた。このままだと送り先が近くの村だとしても夜中になってしまい、家の者にも事情を話さなければいけなくなってしまう。そんな高等技術は持ち合わせていないぞ。昼間ならば、送り先の家の近くまで送り、見届ければ帰っても問題ないだろう? と思っていた。

 同時に少女も焦っているような感じがした。そわそわし始めると体を起こし、布団に座り口を開いた。

「実は、私は王国の王位継承権第一位、長女のエリーと申します……」彼女は少し躊躇いながらも、自分の身分を明かした。

 この王国では、正室から生まれた順に男女問わず王位継承権が与えられるらしい。「らしい」というのは、父のトリスタンが珍しく酒を飲み、酔っ払いながら幼い俺を相手に語っていた時に聞いた情報だったからだ。でも、正しい情報だったらしいな。女性のエリーが王位継承権第一位だと言っているし。一人っ子ならば……って、たしかこの王国には王子がいた気がする。やっぱり父のトリスタンの情報は真実だったのか。

 いきなり王女様と身分を明かされても困るって。普通の女の子でさえパニックになっているのに……王女様と言われても接し方やマナーなんて知らないぞ。そもそもド平民のボロ屋に住んでいる俺に礼儀やマナーを望みはしないだろうが。

 ユウは接し方を変えずに言った。「俺のことは、ユウって呼んでくれ」と微笑んだ。相手が名乗ったのだから……俺も名乗らないとまずいよなと思い、名乗る身分もないので名前だけ名乗った。

「わかりました、ユウさん」とエリーは丁寧に答え、ユウの変わらない接し方にホッとしたような表情になった。

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